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着物の柄・文様の種類と込められた意味一覧!選び方のポイントも

着物の柄・文様の種類と込められた意味一覧!選び方のポイントも

着物の基礎知識

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着物の世界には、多様な柄や文様が存在します。それぞれの柄には独自の象徴や意味が込められており、着物の世界をより深く豊かなものにしてくれます。

この記事では、着物の柄や文様の魅力、柄選びのポイントなどを詳しく紹介します。着物選びを心から楽しむためのガイドとして、ぜひ活用してみてください。

植物文様│着物の柄の種類・意味

植物文様│着物の柄の種類・意味

四季を彩る草花や木々をモチーフにした植物文様は、バリエーションが豊富で四季の移ろいと草木の美しさを表現します。

ここでは、植物文様の種類について詳しく解説します。

松竹梅(しょうちくばい)

松には不老長寿、竹には成長、梅には生命の強さと誕生の神秘が象徴され、新春の門出を祝う成人式の振袖にもしばしば用いられる柄です。

中国から日本に伝わったのは平安の頃とされ、以来、松竹梅は忍耐と長寿、生命の誕生を表す吉祥文様として人々に親しまれ続けています。

桜(さくら)​

桜は、春に芽吹く姿から物事の始まりに縁起がよいとされ、豊穣や繁栄、豊かさの象徴として親しまれています。

桜吹雪や満開の桜などさまざまなデザインがあり、新しい門出を象徴することから成人式や入学、卒業式などの晴れやかな場で好まれています。

葡萄(ぶどう)

一房に無数の実を宿す葡萄は古くから豊穣のシンボルとされ、日本には奈良時代に伝わったといわれています。

葡萄柄は子孫繁栄と豊かな実りへの願いを込めた吉祥文様として、礼装や格式高い帯の柄に用いられてきました。

橘(たちばな)

古事記にも登場する日本原産の常緑樹である橘は、葉が長寿、実が子孫繁栄の象徴とされ、数少ない日本生まれの吉祥文様として親しまれてきました。

古くから婚礼衣装や留袖に用いられ、家の繁栄への願いが託されてきた橘の文様は、みかんに似た愛らしい果実の柄が特徴です。

椿(つばき)

厳冬にも常緑の葉を茂らせる椿は、古くから霊木として神事や厄除けに用いられ、気品ある大ぶりの花は気高さや神聖さの象徴とされてきました。

椿は品種によっては晩秋から春まで長く咲くため、長期間楽しめるのも椿柄の魅力の一つです。

牡丹(ぼたん)

百花の王とも謳われる牡丹はその豪奢な花姿で人々を魅了し、美と富貴の象徴として愛されてきました。

真紅の花弁が重なりあう牡丹の姿には、不老長寿への願いが込められているともいわれます。

紅葉(もみじ)

秋の風情を象徴する紅葉は、長寿を意味するおめでたい柄として親しまれてきました。

春の新緑から夏の濃緑、秋の紅葉、そして冬の落葉まで、季節と共に移ろう紅葉は目にした人々を喜ばせることから、変化や世渡り上手という意味ももちます。

動物文様│着物の柄の種類・意味

動物文様│着物の柄の種類・意味

動物をモチーフにして描かれた動物文様は着物の柄として古くから親しまれ、動物がもつ特徴や習性、伝説などからさまざまな象徴的な意味が込められています。

ここでは、動物文様の種類について詳しく解説します。

鶴(つる)

鶴は千年という言葉が示すように、鶴は長寿のシンボルとして親しまれてきました

また、一度番(つがい)になると生涯を共にするという習性から、夫婦円満の象徴としても知られています。

優美な鶴は単独ではもちろん、亀や松竹梅などの他の吉祥文様と組みあわせられることも多く、なかでも結婚式で花嫁が身にまとう色打掛には鶴の文様がよく用いられます。

鳳凰(ほうおう)

鳳凰は中国の神話に登場する伝説の霊鳥です。

古くから天下太平の時代に現れる瑞鳥として尊ばれ、高貴さや平和、祝福の象徴とされてきました。

日本でも鶴と同様に大切にされてきた文様で、その気高く華やかな見た目と意味あいから慶事にふさわしい柄とされています。

兎(うさぎ)

高い繁殖力をもつ兎は子孫繁栄や豊穣の象徴とされています。

また、中国の神話では月で兎が不老長寿の仙薬を作っているとされており、長寿のシンボルとしても大切にされてきました

ぴょんぴょんと跳ねる姿は物事の飛躍を連想させるうえに、長い耳は福を集めるともいわれ、正に縁起のよい意味が詰まった動物といえます。

日本でも、平安時代から兎は縁起物として大切にされていて、その愛らしい姿は現代においても着物の柄として人気を集めています。

蝶(ちょう)

蝶が青虫からさなぎを経て、やがて美しい羽のある成虫に変化する様子が女性の成長と重ねられる場合が多く、古くから着物や帯の柄として用いられてきました。

礼装から普段着まで幅広く用いられ、また雄と雌が仲むつまじい姿を見せることから、夫婦円満の意味も込められた華やかな文様です。

ふくら雀(ふくらすずめ)

ふくら雀は、冬の寒さをしのぐため羽毛をふくらませた雀の姿を文様化したものです。

『福良雀』や『福来雀』と当て字で書かれる場合もあり、福をもたらす縁起のよい意味を持ちます。

また、ふっくらとした姿には豊かな生活を願う思いも込められ、通年着用が可能な吉祥文様として人気です。

蜻蛉(とんぼ)

害虫を食べ田畑を守る益虫である蜻蛉は、五穀豊穣の象徴として古くから大切にされてきた歴史があります。

真っ直ぐな飛び方から『勝ち虫』とも呼ばれ、勝利や出世の意味をもつ縁起のよい柄として、武士の武具や男児の産着などに用いられていました。

江戸時代以降は武士だけでなく一般の着物の柄として広く使われ、現在は夏の着物や浴衣の柄にもよく見られます。

燕(つばめ)

春の訪れを告げる燕の長く伸びた尾羽は、鶴や雀に次いで多く用いられる文様です。

毎年決まった軒先に巣を作り子育てする姿から安産や縁結びの象徴とされ、また、家のまわりの害虫を食べることから無病息災や家内安全の意味ももつ縁起のよい鳥とされています。

幾何学文様│着物の柄の種類・意味

幾何学文様│着物の柄の種類・意味

幾何学的な図形やパターンで構成されたものが幾何学文様です。シンプルでありながら深い意味をもち、着物の柄として古くから用いられてきました。

ここでは、幾何学文様の種類について詳しく解説します。

亀甲(きっこう)

亀甲は、正六角形を並べて亀の甲羅を模した格式高くおめでたい文様です。『鶴は千年、亀は万年』といわれるように、古くから長寿や繁栄を象徴してきました

また、乳児の長寿を願ってお宮参りの着物に使用される場合が多く、縁結びで有名な出雲大社の神紋でもあるため、良縁を結ぶ柄ともいわれています。

麻の葉(あさのは)

正六角形を規則的に繰り返し配置した文様です。

麻の葉は成長が早く真っ直ぐ伸びる特徴があることから、子どもの健やかな成長への願いや、魔除けの意味が込められています。

江戸後期に歌舞伎衣装に用いられて大流行し、かつては新生児の産着や祭事にも用いられていました。

市松(いちまつ)

市松模様は二色の正方形を交互に敷き詰めた幾何学文様で、途切れずに続く柄は無限の繁栄を意味するとされています

かつては『石畳』や『霰(あられ)』とも呼ばれていましたが、江戸時代に歌舞伎役者の佐野川市松が舞台衣装に好んで用いたことから、この名が定着したといわれています。

青海波(せいがいは)

同心円の半円を重ねて描かれる青海波は、静かな波が無限に続く海を模し、永続的な幸福や平和を祈る意味が込められています。

松や四季の花などと組みあわせた多彩なバリエーションがあり、礼装の着物や帯にも用いられています。

籠目(かごめ)

籠目は竹で編んだ籠の網目を表した文様です。

籠目の柄は鬼が嫌うとされ、江戸時代には邪悪なものを払う魔除けの柄として用いられるようになりました。

七宝(しっぽう)

七宝は、同じ大きさの円を斜め四方に重ねて連続させた吉祥文様で、仏教の七つの宝(金・銀・水晶・瑠璃・瑪瑙・珊瑚・しゃこ)を表しているとされます。

終わりなく続く輪には裕福さや高貴さ、円満や繁栄といった意味が込められ、祝いの席にふさわしい文様として結婚式などでも多用されています。

紗綾形(さやがた)

紗綾型は梵語の『卍』を斜めに崩して四方に連続させて描かれ、かつては女性の慶事礼装の白襟に使われることが一般的な文様でした。

紗綾という絹地の地紋に用いられたためこの名が付けられ、家の繁栄や長寿を願う意味が込められています。

風景文様・自然文様│着物の柄の種類・意味

風景文様・自然文様│着物の柄の種類・意味

風景や自然の要素をモチーフにしたものが風景文様、または自然文様と呼ばれるものです。日本の四季折々の美しい自然美を表現し、他の文様と組みあわせることも多くあります。

ここでは、風景文様・自然文様の種類について詳しく解説します。

雲取り(くもどり)

雲取りは雲がたなびく様子を表し、着物の柄としては輪郭内にさまざまな文様をあしらうデザインが一般的です。

古来より雲は人知を超えた存在と考えられ、よい兆しを伝える瑞祥や運気上昇の象徴とされてきました。

また、雲の漂う姿やくり返し沸き立つ姿には、悠々自適な暮らしへの願いや輪廻転生の意味も込められています。

流水(りゅうすい)

流水は幾筋もの曲線で水の流れを表現した文様で、清らかさや魔除け、火除けの意味をもつ文様です。

固有の形を持たない水の流れはさまざまなモチーフとあわせて用いられ、四季の草花と組みあわせれば通年着用できますが、単独の場合は夏の着用が適しています。

雪輪(ゆきわ)

雪の結晶を円形で表した文様で、春の雪解け水が農作物を育む源となることから、豊作への願いが込められています。

雪輪の内側に他の文様を入れたり、雪輪を区切りとして用いたりするなど、デザインのバリエーションが豊富です。

観世水(かんぜみず)

観世水は、能楽の観世流で定式文様として用いた水模様で、渦巻く水の流れを表した格式高い文様の一つです。

流水と似ていますが渦巻きが特徴的で、常に変化しながら新しい姿となる水の流れは、止まることなく移り変わっていく未来永劫の象徴とされています。

瑞雲(ずいうん)

瑞雲はおめでたいことの前兆として現れる雲を表し、吉祥文様として祝儀の着物や帯などに取り入れられてきました。

雲はかつて仙人が乗るものと信じられ、天へつながる神聖な意味や、雨を降らせることから実りと豊穣を表すとされています。

平安時代以降の有職文様にも取り入れられ、公家の装束や調度品にも見られます。

エ霞(えがすみ)

エ霞は霞がたなびく様子を『エ』の字のように図案化した文様で、霞が現れては消える姿から永遠を意味するとされています。

風景や草花と組みあわせて描かれることが多く、中に吉祥文様の花々などを詰めたり、空間を区切るのに用いられたりと、着物の柄として欠かせない存在です。

雪持ち笹(ゆきもちささ)

雪は豊年の兆しとされ、雪の重さや冷たさに耐えるしなやかな笹の姿は、豊作や春への期待を象徴しています。

『雪持ち柳』や『雪持ち梅』などと同様、雪の重さや寒さに耐えつつも春に向けて葉を奮い立たせる植物の姿が、強靭な精神に例えられる柄です。

器物文様│着物の柄の種類・意味

器物文様│着物の柄の種類・意味

器物文様は、日常生活で使われる器や道具などをモチーフにした柄です。

器物に込められた意味を表現するほか、伝統的な文化や工芸品、風習などを反映していることもあります。

ここでは、器物文様の種類について詳しく解説します。

熨斗文(のしもん)

熨斗文は、祝儀に用いられる薄く切ったアワビを平らにして乾燥させた『熨斗鮑』を文様化した、おめでたい意味をもつ吉祥文様です。

熨斗には草花をはじめとする華やかな文様が描かれ、おもに晴れ着や振袖などの礼装に用いられます。

幾つも重ねた『束ね熨斗』や、左右が跳ね上がった『あばれ熨斗』などのバリエーションがあります。

扇面(せんめん)

扇は、末広がりの形状から開運や繁栄、発展を表す縁起のよい吉祥文様として愛され、古くから晴れ着や帯の柄に用いられてきました。

扇面には草花などの彩りある文様が組みあわされることが多く、骨組みを描かないもの、飾り紐として房や熨斗が添えられたものなど、さまざまなバリエーションがあります。

結婚式や七五三などのお祝いの席にふさわしく、特に振袖によく映える柄です。

手毬(てまり)

手毬は、古くから日本にある玩具の手毬をモチーフにした柄で、良縁や家庭円満の意味が込められています。

子どもの健康や何ごとも丸くおさまることを願う親の思いが込められ、生まれたばかりの女児への魔除けや、嫁ぐ娘へのお守りとして手毬柄の着物が贈られる風習のある地域もあります。

矢絣(やがすり)

矢絣は矢羽根をモチーフとした文様で、一度放った矢は戻らないことから出戻らないという意味が込められていて、江戸時代には嫁入り道具としても用いられました。

明治時代になると女学生の袴にあわせる着物として大流行し、現在でも卒業式の袴姿に多く見られる定番の柄となっています。

宝尽くし(たからづくし)

宝尽くしは縁起がよいとされる宝物をちりばめた文様で、開運招福や富貴繁栄を意味します。

中国の『八宝』に由来しますが、日本では鶴亀や松竹梅なども加えてアレンジされ、晴れ着や礼装の柄として用いられています。

描かれる宝は打出の小槌や隠れ蓑、隠れ笠、金嚢など時代や地域によって異なりますが、いずれも吉祥文様として親しまれてきたものです。

貝桶(かいおけ)

貝桶とは、平安時代の宮中遊びである『貝合わせ』に使われた貝を入れる桶で、永遠の契りや夫婦円満を象徴する文様です。

貝合わせでは対となる貝だけがぴったりあうことから、貞操や結婚を表し、貝桶は嫁入り道具の一つとされてきました。

貝桶の中やまわりに草花などの文様が添えられて華やかにデザインされた柄は、おもに礼装の着物や帯、また、ひな祭りの装いにも用いられます。

糸巻き(いとまき)

染織に欠かせない糸巻きを文様化したもので、長く伸びる糸には長寿や子孫繁栄の意味が込められ、桜花などを添えた柄は女児の着物によく見られます。

また、糸巻きは千切とも呼ばれることから、人との絆を強く結ぶという縁起のよい意味も込められています。

着物の柄・文様の選び方のポイント

着物の柄・文様の選び方のポイント

着物の柄や文様を選ぶ際に大切にしたいポイントは以下の2点です。

  • 柄に込められた意味を大切にする
  • 季節感を先取りする

着物の柄には吉兆の意味を表すものが多く、古くからさまざまな意味あいが込められてきました。

そのため、ご自身の思いや願い、あるいは訪問先の相手へのメッセージを込めて柄を選ぶのもよいでしょう。

また、着物の柄は季節にあわせて選ぶのが基本ですが、実際の季節よりも少し先取りするのが粋とされています。

例えば、春の桜が満開の頃には藤の花や菖蒲など、次の季節の花を選ぶのがおしゃれです。

まとめ

着物の魅力の一つは、何といっても多彩な柄や文様の存在です。古来より受け継がれてきた伝統的な意匠から現代的なデザインまで、その種類は実に豊富です。

着物の柄選びに迷ったときは、ぜひ『京都着物レンタルの福本』にご相談ください。お客様のご希望やお召しになるシーンにあわせて、お着物の柄をご提案させていただきます。

ぜひ一度、福本の着物レンタルをご体験ください。スタッフ一同、心よりお待ちしております。

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